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by Umberto Zapelloni ウンベルト・ザペローニ
彼の名はアイルトン。F1パイロットだった。
そして誰よりも素晴らしかった。
セナが去ってから20年が過ぎていった。
1994年5月1日。ファンのみではなく、世界中の人に悲劇の日曜日として記憶されている。
サーキットでの事故死。セナがトラックで亡くなる24時間前には
オーストリア人、ロラント・ラッツェンバーガーが非業の死を遂げていた。
この週末は異常だった。
バリチェロはラストシケインで宙を舞う、凄まじいクラッシュに見舞われていた。
そして次がラッツェンバーガーだった。
サンマリノ・グランプリの決勝。
スタートではストールしたレートにラミーが追突、破片は観客まで飛び散った(11名がケガ)。
セナの死がその後だった。
さらにアルボレートのミナルディはタイヤが外れ、数名のメカニックをなぎ倒した。
恐怖の連鎖は続いた。
「グリッド上で私の隣に神がいた」。
アイルトン・セナはコース上で神を見た初めてのドライバーだった。
彼の3度の世界タイトルのうち、初となった1988年の日本GPで、セナはシャンパンと涙の後、神がゴールを助けてくれたと語った。セナはそういう男だった。
高速の走り、神秘的な追い越し、予選と決勝で見せる正確さ、オープンにしないと決めた時の頑迷さ、唯一無二、興奮、
魔法、魅力、複雑、才能・・・ 記録よりも前に、彼は魂のレーサーだった。
誰も彼より速いラップタイムを出せなかった、特に雨の中では。もし、1994年5月1日にイモラで彼のレースが永久に
終わらなかったとすれば、世界タイトル3回の記録は倍増していただろう。
ガールフレンドと手をつないでピットに現れた時でも、彼の瞳が幸せに輝くことは遂になかった。
有名なモデルで女優のキャロル・アルト、ブラジルのテレビスターだったシューシャ、最後の恋人となったアドリアーナ。
彼の瞳の奥にはいつも哀愁があった。
セナがイタリア語、英語、あるいはポルトガル語で話し出すと、皆の注目を集めた。ジャーナリストにとって彼の発言を聞き逃すことは、ニュースにとてつもない大穴を開けることだった。アイルトンに関するニュースが取るに足らないことなどなかった。
10回の発言のうち9回は見出しとなった。
彼がいつもブリーフケースに入れていた聖書や神について話さなかったとしても、いつも彼は話題の的だった。
アイルトン·セナ(ブラジル)は1983年7月19日、イギリスのドニントンパークで行われたウィリアムズFW08Cのテストで初めてF1マシンに乗った。
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信頼し、テーブルを共にすることを許した相手になら、アイルトンは何でも話した。彼の人生であり喜びであるレースについて、トレーニングを含めた準備の全て、彼のプライベートの楽園、アングラ・ドス・レイスへの秘密旅行、恋について、魂を満たす信仰、彼にはなくてはならないものである友情、心安らげる家族、レースのために名前をもらった母のこと、父がよくヨーロッパへ付いきて、多額の賞金を投資に回していること、好きなジョーク、ベルガーにからかわれたジョーク、自分を悩ませるピケ、プロスト、そしてバレストルへの
反感など。けれども彼らを嫌ってはいけないのだ。
なぜなら、彼の好んだ聖書は憎むなかれと言っているのだから。
セナはコース上では他の誰とも違うレーサーだった。コースの外でも、皆がスポンサーロゴの入ったレーシングスーツを
着ている場所に、スポンサーのスウェットとジーンズで現れるような男だった。毎回、広報担当者を通す必要も、彼と
アポイントを取る必要もなかった。シーズン毎に1、2回、二言三言話せば十分だった。日時と場所、それだけ決まれば、
どんな質問にも答えてくれた。まるで答えを丸で囲むように。
彼は外交官にもなれただろう。しかし、時には辛辣にもなれた。わかりやすい男ではなかったが、彼が感じたこと、
いつ何を思ったかをシンプルな言葉で、世界に向けて語ることができた。
「復讐じゃない、正義だった」―――
1991年に"鈴鹿でプロストのフェラーリをコース外に弾き出したのは故意であった"と認めた時のように。
アイルトン·セナはロータス97Tルノーをドライブ。
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